Ｍ．Ｓ．様 ６０代女性
大和市在住
右腹部の痛み
【平成２６年１２月２１日】（初診）
１０年ほど前から慢性的な不定愁訴に悩まされていると４０代の娘さんが同伴されてのご来院。さまざまな病院・治療院に通ったり良いといわれる健康法も試したが全く効果がなかったそうです。『病院の先生はいつだってお薬を出すだけなんです！』とＭ．Ｓ．様は私に激しく訴えかけます。
一番の悩みは、「右の腹部の奥の痛み」だと仰います。大きな病院で何度も精密検査もしたけれど原因は不明とのこと。
こういった症状が長く続いているので気持ちも萎えて生きる気力もが出てこないと表情は深刻そのものです。
まずは始めにＭ．Ｓ．様が一番気にされている「右腹部の痛み」についての検査です。
椅子に座って頂いたまま右の腸骨を前から親指でゆっくりと奥に辿って触診したところ、奥にゴロンとした感じの太くてかたい筋肉が柱のように存在します。これは１０年ほど前にご主人に強く蹴られたものだそうです。
家庭内暴力ということではなく、自分が寝ていたところを深夜帰宅したご主人が暗闇の中で知らずに踏みつけてしまったようです。『これがあなたのお腹の痛みの原因ですよ！これです、これこれ！』とわざと大袈裟に緊張した筋肉を認識して頂きました。『こんなに丁寧にお腹を触って診てくれた先生は初めてです！』と少し感動した様な口調でおっしゃいました。
どうやら、１０年来の不定愁訴もこの硬い筋肉が一つのきっかけになった可能性があります。腹部の痛みの原因がはっきりとわかったことは、Ｍ．Ｓ．様にとって心の大きなしこりの解消にもなったようでとても晴れやかな顔になりました。さて、１回目の治療内容は下記の通りです。
◇腰部 ２０分
◇肩甲骨周り １５分
◇股関節 １０分
右腰部の緊張した筋肉の寛解が１番の目的ですが、かなりの深部にあることから緩消法の自己療法をお勧めしました。しかしご本人は自分でやることに自信が持てないということで、通院のみの治療となりました。
とにかく疲労しきったお身体を早く改善するために血流を促進する目的で腕と脚の付け根にしっかりと緩消法を実施することにしました。身体の感覚の鋭いＭ．Ｓ．様は今までとは全く違った刺激だと仰いました。通院のみの早期の改善を望まれたので、相談の結果明日と明後日に続けて治療を受けることになりました。
【平成２６年１２月２２日】（２回目）
右腹部の痛みが当初の『１０』→『８』になった報告を受けました。
少し活力みたいなものが出てきたとも仰いました。
◇腰部 座位 伏臥位 各１０分
◇肩甲骨周り 伏臥位 各５分
◇股関節 仰臥位 各５分
今回は前回とは違った体位で緩消法を実施する。
これが功を奏したのか治療後のＭ．Ｓ．様は緩消法の治療効果を深く体感されたようです。
【平成２６年１２月２３日】（３回目）
右腹部の痛みが当初の『１０』→『５』に軽減したと喜びの報告を受けました。
◇腰部 座位 ３０分
◇肩甲骨周り・第一肋骨・第２肋骨 各５分
◇腸骨のふち １０分
連日の治療なので腰部の緊張がかなり寛解した模様。
腰が軽くなったと喜ばれました。
３日連続の治療だったので幾分疲れが出てきた模様。
【平成２７年１月７日】（４回目）
右腹部の痛みが当初の『１０』→『０』に解消。緩消法の効果を絶賛されました。
しかし、自己療法として行うには自信がないということで定期的な通院をご希望されました。治療方針は従前どおりです。
◇腰部 座位 ２０分
◇肩甲骨周り・第一肋骨・第二肋骨周辺 各５分
◇股関節 １０分
患者様のつらい症状の根本原因を明確に指摘してそれを取り除くことが実際にできる緩消法は、肉体だけでなくご本人の長年の心のしこりも解消できる治療の最高峰だと改めて認識させられた症例でした。
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